大人の空間 Ⅱ ~Art rock/blue-eyed soul/American rock

 

 

 

前回の後編として、今回も1970年後半から1980年代に

最も活躍したイギリスのアート・ロックやソフト・ロック、

ブルー・アイド・ソウルやアメリカン・ロックなどの

お気に入りのバンドやアーティストをご紹介します。

 

 

 


 

 

Simply Red(Mick Hucknall)

Simply Red(シンプリー・レッド)は、イギリスのバンド。

1985年、Mick Hucknall(ミック・ハックナル、本名:Michael

James Hucknall、1960年6月8日‐)を中心に結成された。

バンドというよりハックナルのソロプロジェクトという性質が強い。

バンドの音楽はSoul musicに影響を受けたハックナルの個性が

強く反映しており、Blue‐eyed soul(ブルー・アイド・ソウル)、

New Romanticism(ニューロマンティック)、ジャズ、ロック、

レゲエの様々な要素を取り入れたものとなっている。

1992年と1993年 、ブリット・アワードで最優秀ブリティッシュ・

グループ賞を受賞した。

バンドは2010年にいったん解散。1985年の結成から2010年の

解散に至るまで、彼が唯一のオリジナルメンバーであった。

2015年に再編成され、現在もレコーディングやツアーを続けている。

 

 

前身バンド、The Frantic Elevators時代からの楽曲

Holding Back The Years』は、1985年のシンプリー・レッドの

ファーストアルバム『Picture Book』から1986年にシングルで

再リリースされ、アメリカ、アイルランドで1位に達し、イギリスの

BPIによりシルバー認定された。

1989年リリースの『A New Flame』からはアルバムタイトル曲

A New Flame』や、『It’s Only Love』、『You’ve Got It』と、

1972年に大ヒットしたハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツの

カヴァー曲『If You Don’t Know Me by Now』がシングルリリース

され、アメリカのシングル・チャートでバンド史上2番目のナンバー1

ヒットとなった。

アルバムはイギリスで210万枚以上のセールスを記録し、BPIに

よりセプタプル(7)・プラチナに認定された。

1991年『Stars』をリリース。ヨーロッパとイギリスで2年連続で最高の

セールスを記録し、バンドのベストセラーアルバムとなった。

アルバムからの『Something Got Me Started』(イギリスの

シングルチャートで10位)とアルバムタイトル曲の『Stars』(8位)

他5枚のシングルはトップ40のヒットとなった。

1995年リリースの『Life』からのシングル『Fairground』はイギリス、

アイルランドで1位となり、バンド初で唯一のイギリス1位を獲得した。

アルバムもイギリスのアルバム・チャートで1位となった。

2010年、ミック・ハックナルは2009年の始めから2010年の終わりに

かけたツアーを最後にシンプリー・レッドを解散、引退することを

発表した。

 

 

2014年11月3日、バンドは「Big Love Tour2015」と題した

シンプリー・レッド結成30周年のヨーロッパツアーを開始。

2015年に再結成することが発表された。

2015年4月19日、バンドは公式Facebookページ上で、12トラック

からなる『Big Love』というタイトルの新しいアルバムのリリースを

予定していることを突然発表した。そして同年6月、通算11枚目と

なるアルバム『Big Love』をリリースした。

 

 

Simply Red – Money’s Too Tight (To Mention):The Valentine Brothers Cover

 

ミック・ハックナルの音楽はR&Bから発展したソウル・ミュージックに

強い影響を受けていて、初期の頃にリリースした曲にはそれが

如実に現れています。

時代の流れとともにダンス・ミュージックへとスタイルは変わって

いくものの、根底にあるのはソウル・ミュージックであり、その

ソウルフルながらも繊細で浮遊感あふれるヴォーカルは健在で、

数々のアーティストのカヴァー曲も素晴らしい歌唱力で歌い上げて

います(スタイリスティックスの『You Make Me Feel Brand New』)。

 

Simply Red – Stars

 

ミュージックビデオの美しさにも定評があるシンプリー・レッド。

音楽情報番組でもよく取り上げられていました。

『Stars』のミュージック・ビデオに出てくるミック・ハックナルの

その青い目と真っ赤な髪の色は、まるで絵本の中から出てきた少年の

ようでした。

 

Simply Red – Fairground

 

 

 

 

Spandau Ballet

Spandau Ballet(スパンダー・バレエ)はイギリスのバンド。

1970年代後半のロンドンで、ニュー・ウェイヴシーンから

派生した音楽ジャンル、ニューロマンティックを代表する

バンドの一つ。シンセポップ、ブルー・アイド・ソウルに

分類されることもある。

1976年に、ロンドンでゲイリー・ケンプ(G、key)と

スティーヴ・ノーマン(Saxophone、G)、トニー・ハドリー(Vo)、

マイケル・エリソン(B、後にケンプの弟、マーティン・ケンプと交替)

ジョン・キーブル(Ds)により結成された。

1980年に『Journeys to Glory』(1981年)からの先行シングル

To Cut a Long Story Short』がリリースされ、イギリスの

シングルチャートで5位に達した。

翌1981年、2ndアルバム『Diamond』(1982年)からの先行シングル

Chant No 1 (I Don’t Need This Pressure On)』がリリースされ、

イギリスのシングルチャートで3位に達した。

1983年、3rdアルバム『True』をリリース。シングルリリース

された『Gold』はイギリスのシングルチャートで2位、

アルバムタイトル曲の『True』はイギリスのシングルチャート、

アダルト・コンテンポラリー・チャートで1位に達した。

アルバムはビルボード200で19位、イギリスのアルバムチャートで

1位を獲得する。

バンドは、イギリスで多くのトップ10のアルバムと(世界的ヒット

『True』と、『Gold』、『Only When You Leave』などの最大ヒットを含む)

『To Cut a Long Story Short』、『Chant No. 1 (I Don’t Need This

Pressure On)』などのシングル・ヒットを持つ。

バンドは1990年に解散、2009年3月再結成を発表した。

 

 

Spandau Ballet – Gold

 

イギリスの故ダイアナ元妃が好きだったという曲『True』は、

いつまでも色褪せることのない不朽の名曲です。

 

Spandau Ballet – True

 

2014年に発売したベスト・アルバム『The Story–The Very Best of

Spandau Ballet』からの新曲『Steal』は素敵に年を重ねてきた

大人の曲です。

そのスタイリッシュでキャッチーなサウンドは、時を超えても

輝きを失いません。

 

Spandau Ballet – Only When You Leave

 

 

 

 

Roxy Music

Roxy Music(ロキシー·ミュージック)はイギリスのロックバンド。

1971年、リードヴォーカル、ソングライターのブライアン・フェリーを

中心に結成された。

デヴィット・ボウイや、10CCなどといったアーティストや

バンドとともにアート・ロックを代表的するバンドとみなされ、

70年代より活動を続けてきた。

1975年リリースの『Siren』は、ロキシー·ミュージックの最も

絶賛されたアルバムの一つとされ、アルバムからのシングル

『Love Is The Drug』は1975年イギリスのシングルチャートで

第2位となった。

1980年リリースのアルバム『Flesh and Blood』はイギリスの

アルバム・チャートで第1位を獲得、『Same Old Scene』は

イギリスのシングル・チャートで第12位となった。

『Flesh and Blood』のセールスはバンド史上最高となり、

最も商業的成功をおさめたアルバムとなった。このアルバムは

1980年10月30日にプラチナ認定されている。

1982年、9作目となるアルバム『Avalon』をリリース直後に

バンドは解散、これがバンドの最後のスタジオ・アルバムとなった。

その後、ブライアン・フェリーの名義でアルバム『Olympia』を

リリースしている。

バンドは30周年を記念して2001年に再結成、2011年には40周年を

記念してイギリスをはじめオーストラリアとニュージーランドの

ツアーなどを行うが、これがロキシー·ミュージックの最後の

ライブパフォーマンスとなる。

バンドは2011年の時点で活動を休止している。

 

 

Roxy Music – Love Is The Drug

 

アメリカの音楽番組、MTVなどでよくかかっていた、

『Same Old Scene』のミュージック・ビデオ。

この大人の雰囲気、カッコよさにしびれました!

 

Roxy Music – Same Old Scene

 

ブライアン·フェリーはソロ・アーティストとしても著名で、

1985年にリリースされたアルバム『Boys and Girls』からは

Slave to Love』、『Don’t Stop The Dance』、

Windswept』などの多くのシングル・ヒットをとばしました。

スタイリッシュで洗練された大人のロックを聴かせてくれます。

 

Roxy Music – More Than This

 

 

 

 

 

10CC

10CC(テンシーシー)はイギリス・マンチェスター出身の4人組による

ロックバンド。

バンドは分裂し、ケヴィン・ゴドレイとロル・クレームが脱退し

ゴドレイ&クレームを結成。

ゴドレイ&クレームの活動の他、ミュージックビデオの監督としても

有名で、彼らの曲『Cry』の他、エイジアの『Heat of the Moment』、

Only Time Will Tell』、ポリスの『Every BreathYou Take』、

デュラン・デュランの『A View to a Kill(007 美しき獲物たち)』などの

プロモーションビデオのプロデュースも手掛けている。

10ccはエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンを中心に

活動を続けるが、その後エリック・スチュワートも脱退してしまい、

現在オリジナルメンバーはグレアム・グールドマンだけとなっている。

 

 

10cc – I m Not In Love
     

 

彼らの1975年リリースのアルバム『The Original Soundtrack』

からの大ヒットシングル『I’m Not In Love』は、不朽の名曲です。

美しいメロディなのですが、失恋ソングらしく「君に恋して

なんかいない。壁に掛けてある君の写真は壁のシミを隠すため

かけているだけさ」 ― という内容の歌詞らしいですが、何か、

泣けてきます。

 

10cc – The Things We Do for Love

 

レゲエ調の曲『Dreadlock Holiday』(邦題:トロピカル・ラヴ)は、

ボニー・Mなどがカヴァーしています。

 

10cc – Dreadlock Holiday

 

 

 

 

 

Eddie Money

Eddie Money(エディ・マネー、本名:Edward Joseph Mahoney、

(1949年3月21日生まれ※下記追記あり)はアメリカのロックシンガー、

ギタリスト、サックス奏者、ソングライター。

ニューヨークのブルックリン出身のエディはミュージシャンになることを

夢見ていたが、高校卒業後、父の跡をついで警察官になることを

決意(彼の父、祖父、兄と、皆がニューヨーク市警察(NYPD)の

警察官であった)。

1968年から2年間、ニューヨーク市警察官として務めたが、音楽の

夢が捨てきれず警察官を辞職する。

彼はカリフォルニア州バークレーに移住し音楽活動を開始。

名前もマホーニーからマネーに変更、地元のクラブでプレイし

始める。

1976年、彼は伝説のプロモーター、ビル・グラハム主催のロック・

イベントでプレイし彼に見いだされる。このときからエディの運命は

変わることとなる。

二人は急速に緊密となり、グラハムがエディの育成とマネージメント

を請け負う。ビル・グラハムはマネーのことについて―

「エディ・マネーは、歌うだけでなく曲を書いて、そしてプレイする。

そのすべてを持ちあわせている…彼は天性のパフォーマーである」

― と述べている。

彼はコロムビア・レコードと契約し、1977年セルフタイトルの

デビューアルバム『Eddie Money』をリリースする。

アルバムは200万枚以上のセールスを記録し、彼のベストセラー・

アルバムとなった。

1979年リリースの2ndアルバム『Life for the Taking』はRIAAより

1979年1月ゴールド、1994年11月にプラチナ認定された。

 

 

エディ・マネーは1970年代から1980年代にかけて成功をおさめ、

Baby Hold On』(ビルボードホット100で11位)、

『Two Tickets to Paradise』(22位)、『Maybe I’m A Fool』

(22位)、『Take Me Home Tonight』(4位)、『I wanna go back

(14位)、『Think I’m in Love』、(16位)『Walk on Water』(9)、

Peace in our Time』(11位)などのトップ40シングルヒットを持つ。

 

 

近年では、娘のJesse Money(ジェシー・マネー、1988年‐)が

彼のバンドでバック・コーラスを担当。ツアーにも参加している。

マネーはライヴで『Take Me Home Tonight』をジェシーとデュエット、

エキサイティングなステージパフォーマンスを見せている。

1989年に結婚した妻ローリーとの間にジェシーの他、ザカリー、

ジョセフ、デズモンド、ジュリアンという4人の息子がいる。

 

 

1970年から80年当時、私はTVで見る一般的なアメリカのロック・

ミュージックに興味を持てず、子供のころから聴いていたFEN

よくかかっていた、TVでは見られないバンドやアーティストの音楽に

興味を持ち聴き入っていました。

その中でもエディー・マネーの『Two Tickets to Paradise』、

『Maybe I’m a Fool』は大好きで、日本ではTVで紹介されることが

あまりなかったエディー・マネーですが、その渋めのヴォーカルと

いい、哀愁を帯びたサックスの音色といい、他のロックアーティスト

とはひと味違った大人のロックを聴かせてくれました。

 

Eddie Money – Two Tickets to Paradise
     

 

お気に入りの3曲『Two Tickets to Paradise』、『Baby Hold On』、

『Maybe I’m a Fool』はエディー・マネーの初期の大ヒット曲です。

 

Eddie Money- Maybe I’m a Fool

 

活動休止期間を経て復活、1986年リリースのロニー・スペクター

(※2022年7月追記 ロニー・スペクターは2022年1月12日、癌のため

78歳で亡くなった)とのデュエット曲『Take Me Home Tonight』は

最大のヒットとなり、以前のアグレッシヴさを失うことなく、

さらに円熟した魅力がプラスされています。

60代後半となった今でも現役で音楽のプロデュースやシンガーとして

活動し続けるエディー・マネーは、アメリカのロック・アーティストの中で

最もカッコイイと思うロックンローラーです。

 

※2022年7月追記

エディ・マネーはステージ4の食道がんと診断されていた。

それにもかかわらず2019年初めにはアメリカ中をツアーし

ステージで演奏していた。

しかし、6月に心臓弁置換手術を受けたため夏のツアーは

キャンセルとなり、回復中であったが肺炎を発症し

9月13日、ロサンゼルスのUSCケック病院で70歳で亡くなった。

 

 

Eddie Money – Take Me Home Tonight