I like comedies – All of Me

 

 

 

 

 

 

All of Me

all of me

 

 

 

「All of Me」は1984年アメリカで公開された、

スティーヴ・マーティン、リリー・トムリン主演、

カール・ライナー監督によるファンタジック・コメディ映画。

脚本は、エドウィン・デイビスの未発表の著書「Me Two」に

基づきフィル・アルデン・ロビンソン、 ヘンリー・オレクに

よって書かれた。

サウンドトラック(『All of Me (1984) Soundtrack』)は

All of Me』、『Out of Nowhere』、『Just a Closer Walk

with Thee』、『Didn’t He Ramble』、『Jesu, Word of God

Incarnate』を収録。

 

 

 

 

あらすじ

アメリカのとある法律事務所に勤務する弁護士ロジャー・コッブ

(スティーヴ・マーティン)は、彼のボスであるバートン・スカイラー

(ダナ・エルカー)の娘ペギー(マデリン・スミス)とデートする

間柄。そしてジャズ・ギタリストを志し、盲目の友人タイロン

(ジェイソン・バーナード)やバンド仲間とクラブで演奏する日々を

送っていた。

 

 

 

 

しかし、38歳の誕生日を迎えた朝、ペギーにプロポーズするも

さらりとかわされ、勤務する法律事務所ではいつもつまらない案件

ばかり押し付けられうんざりしていたロジャーは、自分の人生は

このままでいいのか自問自答する。そして弁護士とミュージシャンの

二足のわらじを脱いで弁護士に専念しようと決心する。

 

 

 

 

大富豪カットウォーター家のわがままな女主人エドウィナ

(リリー・トムリン)は心臓が弱く、子どもの頃から寝たきり

という人生を送ってきた。

彼女は自分に死期が迫っていることを覚り、若く美しい馬の

世話係の娘テリー(ヴィクトリア・テナント)の体に入って、

若く健康な自分を第二の人生で経験したいと思っていた。

そして、人間の魂を移す術を習得した聖人、プラカ・ラサ

(リチャード・リベルティーニ)、テリーと結束して自分の魂を

彼女に移そうとしていた。

 

 

 

 

全財産をテリー(将来の自身)に譲る遺言状を作成したいという

エドウィナからの依頼を受けたスカイラーは、カットウォーター家

に向かうようロジャーに命令する。

エドウィナの計画を聞いたロジャーは「もしあなたがイカレていると

わかったら、遺言が無効になる」と助言するが、それがエドウィナの

怒りを買ってしまう。そして「出ていきなさい!」と追い返される。

ロジャーは傲慢で鼻持ちならないエドウィナや、魂を移す儀式に協力

するプラカとテリーに「皆、イカレている」と言い、カットウォーター

家を後にする。

 

 

 

 

エドウィナは、彼が勤める法律事務所に赴きロジャーをクビに

するよう訴え、テリーに全財産を譲る遺言書の作成を済ませた

直後、遂に息絶えてしまう。

すぐさま魂を移す儀式が行われるが、一時的に彼女の魂が入った

器は事務所の窓から外へ落下し、事務所のすぐ下を歩いていた

ロジャーに命中する。

気が付くと自分の体の左側がロジャー、そして体の右側は

エドウィナだった。彼女は彼に乗り移ってしまったのだ。

 

 

 

 

仕方なく、エドウィナと体を共有することになったロジャーだが、

ことあるごとに彼女は彼の行動や言動に割り込んできて、彼は結果的に

ガールフレンドと仕事の両方を失ってしまう。

 

 

 

 

だが、ロジャーは幸せな人生ではなかった彼女のことを聞き、鏡や

反射するものすべてに現れるエドウィナの姿に向かって語りかけた。

そして徐々に二人の距離は縮まってくる。

しかし、双方とも彼の体から出たい、出てもらいたいと望んでいる。

一方、エドウィナの富を得るためだけに同意したテリーは、本当に

魂が乗り移ると知ってショックを受ける。そしてロジャーがプラカと

連絡をとるのを妨害しようと企み、プラカを宿泊先のホテルから

チェックアウトさせ、無理やり飛行機に乗せて帰国させるよう仕向ける。

そしてプラカを探していたロジャーを宿泊していたホテルに誘い込んで

誘惑し時間稼ぎをしようとする。

 

 

 

 

しかし、そこにプラカが戻ってきて計画が失敗に終わり、本性を

露わにしたテリーはロジャーたちに「バカな女から大金を受け取って

やっただけ。これからは何をしようと自由。今後私に近づこうもの

なら容赦しないからそのつもりで」と言い協力を拒み帰ってしまう。

ショックを受けたエドウィナは自分が愚かだったと反省し、自分は

鳥になって第二の人生を送るからもういい。ロジャーを解放して

あげてとプラカに頼み、生まれて初めて謙虚な気持ちになる。

ロジャーは「そんなことで弱気になってはだめだ」とエドウィナを励まし、

当初からの計画を実行に移す行動に出る。

 

 

 

 

エドウィナの全財産を手に入れたテリーは豪邸で豪華なお披露目

パーティーを開く準備をしている。そのそばでパーティーで演奏する

バンドに紛れ込んだロジャー、プラカ、タイロンはテリーにエドウィナ

の魂を乗り移させようと四苦八苦するが、すべては失敗に終わって

しまう。

夜になり、再度計画を実行するべく、ロジャーたち3人はテリーの

ベッドルームに忍び込む。しかし彼女は装填した銃を持って彼らを

待ち構えていた。

 

 

 

 

テリーは銃を突きつけてロジャーたちを脅し、侵入者にみせかけて

3人とも殺すつもりだと白状した。

しかし追い詰めた部屋にロジャーの元ボスのスカイラーと恋人が

来賓として宿泊していたため計画の全てを聞かれ形勢逆転。

逮捕歴があったテリーは警察に通報される前に「今度捕まったら

終身刑務所に入れられる。また刑務所にもどるくらいなら死んだ

方がマシ。協力するから何とか見逃してくれ」と懇願する。

 

 

 

 

儀式は行われ、テリーは大好きな馬の体に乗り移って第二の人生を

送ることになり、晴れてテリーの体に入ることができたエドウィナは

ロジャーと第二の人生をスタートさせる。

不安と喜びにあふれる、見た目はテリーのエドウィナをロジャーは

優しくエスコートし、フロアで一緒にダンスを踊る。

鏡は、楽しげに踊るロジャーとエドウィナを映し出していた。

 

 

 

 

この「All of Me」は、カール・ライナー監督によるスティーヴ・

マーティンの4作目となる映画です。

もうかなり昔に見た映画ですが、スティーヴ・マーティンの

作品の中で1、2を争うくらい好きな作品です。

もう34年も前の映画なので当然ですが、リリー・トムリンを

はじめ、登場人物が皆若いです!リリー・トムリンは1980年

アメリカで大ヒットしたコメディ映画「9 to 5」

(邦題:9時から5時まで)などで有名なアメリカのベテラン

喜劇女優です。

 

 

特にスティーヴ・マーティンの若き日の姿はもちろんのこと、

キレの良い動きが見どころです。でも彼はいくつになっても、

キレのいいダンスやパフォーマンスを私たちに披露してくれます。

この映画で主役のスティーヴ・マーティンとリリー・トムリンは、

1985年のゴールデングローブ賞映画部門主演男優賞・女優賞

(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされました。

スティーヴ・マーティンは、1984年のニューヨーク映画批評家

協会賞と1985年の全米映画批評家協会を受賞しました。

 

 

脇をかためるキャスト全員の演技も素晴らしく、全体的にバランス

が取れた映画になっていると思います。

特にプラカ・ラサを演じたリチャード・リベルティーニ(2016年1月7日、

82歳で死去)、盲目の友人タイロンを演じたジェイソン・バーナード

(1996年10月16日、58歳で死去)が素晴らしかったです。

ロジャーの相棒の犬、ビックスもいい仕事していましたね!

 

 

 

また、スティーヴ・マーティンはこの映画でテリー役を演じた

ヴィクトリア・テナントとのちに結婚しました(1994年に離婚)。

1991年、アメリカで公開された映画「L. A. Story」では夫婦共演

を果たしています。

 

 

ストーリーは主人公がある日突然、死んだ女の魂が乗り移って

様々なハプニングを巻き起こすという、ごくありふれたものですが、

死んだ人間の魂が乗り移ったり、誰かと入れ替わってしまうという

”入れ替わりもの”手法をつかった映画は数々あれど、この映画は

その先駆け的存在の隠れた名作だと思います。