今回は、アメリカで活動を続ける
ポスト・パンク・リバイバルのバンドを
ご紹介します。
The Strokes
The Strokes(ザ・ストロークス)は、アメリカのロックバンド。
1998年、ニューヨークで結成された。
リードシンガー、ソングライターのJulian Casablancas
(ジュリアン・カサブランカス)は、マンハッタンのアッパー・
イースト・サイドにあるLycée Françaisde New Yorkからの幼馴染で
ベーシストのNikolai Fraiture、アッパー・ウェスト・サイドに
あるDwight Schoolからの学友でギタリストのNicholas Valensi、
ドラマーのFabrizio Morettiとともにバンドを結成。
13歳の頃、深刻な飲酒問題を抱えていたカサブランカスは父親によって
スイスの寄宿学校Institut Le Roseyに送られた。そこで知り合った
アメリカ人ギタリストAlbert Hammond Jr.(父親はAlbert Hammond)は
New York UniversityTisch School of the Artsに通うためニューヨークに
来る。そこでCasablancasと合流し2人はアパートを共有。Hammondは
バンドに加入する。
2001年、イギリスのラフ・トレードにデモ・テープを送り、契約に至る。
3曲入りのシングル『The Modern Age』をリリース。これがきっかけで
イギリスでの人気を獲得。同年8月にデビューアルバム『Is This It』を
リリース。世界中でヒットとなる。
2003年、2ndアルバム『Room on Fire』をリリース。シングル『12:51』
(UKシングルチャートで7位、ビルボード・モダンロックチャートで15位)、
『Reptilia』(UKシングルチャートで17 位、ビルボード・モダンロック
チャートで19位)がヒットする。
2006年、3rdアルバム『First Impressions of Earth』をリリース。
2011年、4thアルバム『Angles』をリリース。
2013年、5thアルバム『Comedown Machine』をリリース。
ニューヨークで生まれ育ったジュリアン・カサブランカスは、8歳の時
両親が離婚。彼は母親に引き取られた。その後母親は画家の男性と
再婚する。
ガーナ出身で学究肌である継父は、好んで聴いていたドアーズ、
フィル・コリンズ、ナイジェリアのミュージシャンFela Kutiなどを
紹介し、芸術的な面でもJulianの人生に大きな影響を与えた。
継父とは緊密な関係を築いており、時折、作詞作曲で案さえ提供して
くれるという。
実父はエリート・モデル・マネジメントの創設者であるJohn Casablancas。
実父との良好な関係を築くことができなかったカサブランカスは飲酒問題を
抱えるようになる。それは徐々にエスカレートしていき、高校に行く頃には
かなりの量を飲むようになっていたという。結果、高校は中退。
その後はGEDを取得、ニューヨーク、ロングアイランドにある私立大学
Five Towns Collegeで音楽を専攻し授業を受け続けた。
彼はあるインタビューで、「父は堂々としていて、とても魅力的な人でした。
私はいつも、父にもっと近づきたいと思っていました。10代の頃はそれを
反抗するという形でしか表せなかった」と述べている。
実父のJohn Casablancasは2013年7月20日、がんにより70歳で死去した。
2009年リリースの彼のファーストソロアルバム『Phrazes for the Young』
(オスカー・ワイルドの著書「Phrases and Philosophies for the Use of the Young」に
インスパイアされた) は、イギリスでは11月2日、アメリカでは11月3日に
リリースされた。オマハ、ネブラスカ、ニューヨークで録音されたこのアルバムは、
ジェイソン・レイダーがプロデュースし、ブライト・アイズのマイク・モーギスが
プロデュースした。
アルバムはニュー・ウェイヴとエレクトロニカの影響を強く受けており、
シンセサイザーを多くの曲に使用した。
シングル『11th Dimension』は、Billboard Japan Hot 100で48位となった。
2013年、Daft Punkのアルバム『Random Access Memories』の『Instant Crush』で
歌詞、ヴォーカル、ギター・ソロを提供し、『Random Access Memories』は
2014年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を獲得。カサブランカスは共同受賞者の
1人として受賞した。
また、エクスペリメンタル・ロックバンドThe Voidzを2013年に結成。
『Tyranny』(2014年)、『Virtue』(2018年)の2枚のアルバムをリリース
している。
バンドのサウンドはメディアによってインディー・ロック、ガレージロック・
リバイバル、ポストパンク・リバイバルと称されてきた。
カサブランカスは、初期の音楽的影響の1つとしてドアーズを挙げているが、
ジム・モリソンの一般的なイメージではなく、ドアーズの音楽スタイルに
影響を受けたと述べている。
彼はまた、自身の歌詞とヴォーカルスタイルに大きな影響を与えたとして、
ベルベット・アンダーグラウンドのルー・リードを挙げている。
彼はローリング・ストーン誌のインタビューで「ルー・リードが
ドラッグやセックス、彼の周りの人々について曲を作ったりする方法は、
ごく自然で、現実的でもありました。それは詩とジャーナリズムでした」。
さらに彼は、ボブ・マーリー、ニルヴァーナ、パール・ジャムは
彼の作品に大きな影響を与えており、彼が音楽を作り始めた理由として
パール・ジャムの曲『Yellow Ledbetter』に言及さえしている。
また、Voidzのバンドメイトの何人かに同意して、スティービー・ワンダーを
「一つ進んだ精神」を持つ作曲家として指名した。
コートニー・ラブのソロアルバム『America’s Sweetheart』 (2004) に
収録されている曲『But Julian, I’m a Little Bit Older Than You』は、
カサブランカスについて書かれている。
The Strokes – Someday
The Strokes – Last Nite
The Strokes – Reptilia
The Strokes – You Only Live Once
Interpol
Interpol(インターポール)は、アメリカのロックバンド。
1997年、当時ニューヨーク大学の学生であったGreg Drudy(Ds)、
Daniel Kessler(G)はバンドを結成。Kesslerは哲学クラスで出会った
Carlos Dengler(B)に声をかける。
また、彼は以前パリでの留学プログラムで知り合ったPaul Banks
(Vo,G)にニューヨークのイーストビレッジで再会。バンドに迎える。
Kesslerはあるインタビューで「バンド名を選ぶのに苦労した」と
語った。
Las Armas、The French Lettersなどの名前を試したこともあったが、
バンドは名前がないままいくつかのライヴを行った。そしてかなり良い
反応をもらうが、その度に「本日はいいお客さんに会えてよかったです。
しかし我々には名前がありません!我々が誰かわからなければまた
ライヴに来てもらうことができません!」と言うしかなかったという。
最終的に、バンド名はInterpolに決定する。
2000年にイギリスのインディーズ・レーベルChemikal Underground
からEP『Fukd ID #3』をリリース。その直後にドラマーのGreg Drudy
が脱退し、後任としてSam Fogarinoが加入する。
アルバムをリリース後、2002年、アメリカのインディーズ・レーベル
Matador Recordsと契約。同年にデビューアルバム
『Turn On the Bright Lights』をリリース。このアルバムは評論家から
称賛され、メディアなど各種媒体の「年間アルバム・ランキング」に
挙げられた。
また、インディーズ・レーベルからのリリースにもかかわらず、アメリカ
で30万枚以上を売り上げるロングヒットとなった。
バンドは好調なセールスに支えられ世界ツアーを行う。
2004年、2ndアルバム『Antics』をリリース。アメリカで15位に達し、
2011年時点での売上はアメリカ、イギリスの合算で50万枚を超えている。
2006年秋、メジャーレーベルのキャピトル・レコードへの移籍が発表
され、翌2007年、3rdアルバム『Our Love to Admire』をリリース。
アメリカ、イギリスでいずれもトップ5に入る大ヒットを収めた他、
各国で大きなチャート・アクションを起こし世界規模の評価を得た。
音楽的には初めてキーボードを導入し、以前のアルバムとは異なる
作品に仕上がっている。
2010年、4thアルバムでセルフタイトルの『Interpol』をリリース。
同作は自身のレーベルSoft Limitからのリリースとなり(アメリカでは
古巣のMatador Records、ヨーロッパなどではCooparative Musicを
通してのリリース)、インディーに回帰した形となった。
同作の完成後にベーシストのCarlos Denglerが脱退。
アルバムリリースにともなうツアーにはDavid Pajo(元Slint、Tortoise、
Zwan)がベーシストとして、Secret MachinesのBrandon Curtis が
キーボードやヴォーカルとして参加した。
2014年、5thアルバム『El Pintor』をリリース。このアルバムタイトルは
Paul BanksによってつけられたInterpolのアナグラムで、スペイン語で
「画家」を意味する。
『El Pintor』はPaul Banksが初めてベースを引き継ぐだけでなく、
Brandon Curtisが初参加でアルバムの10曲のうち9曲のキーボードを
引き継ぎ、Carlos Denglerが参加しない初のアルバムとなった。
アルバムにRoger Joseph Manning Jr.(Jellyfish)、Rob Moose
(Bon Iver)、ツアーメンバーのBrandon Curtisがゲスト・ミュージシャン
として参加した。
2018年、アルバム『Marauder』をリリース。『The Rover』、
『Number 10』の2つのシングル、『If You Really Love Nothing』の
ミュージックビデオがリリースされた。
InterpolはLuna Loungeで最初のパフォーマンスを行い、共演した
The Strokes、The National、Longwave、Stellastarのバンドと
ともにニューヨークのインディー・ロックシーンに関わってきた。
バンドはポストパンク・リバイバルから生まれたバンドとして位置づけ
られている。
Interpol – Evil
Interpol – Obstacle 1
Interpol – Everything Is Wrong
Interpol – The Rover
Stellastarr
Stellastarr(stellastarr *)は、アメリカのインディーロックバンド。
2000年、ブルックリンにあるPratt Instituteで芸術とデザインを専攻していた
Shawn Christensen(Vo,G)、Amanda Tannen(B)、Arthur Kremer
(Ds,Key)、Michael Jurin (G)の4人が集まり結成された。
2000年7月、バンドはマンハッタンのロウアー・イースト・サイドにあった
Luna Loungeで最初の演奏をした。
Jane’s Addiction、The Raveonettes、Placebo、The Killers、Editorsと
ツアーを行う。バンドは、アメリカ、イギリス、カナダ、メキシコ、日本、
ヨーロッパ各国でライヴを行った。
2003年、RCAよりセルフタイトルのデビューアルバム『Stellastarr』を
リリース。トラック2の『Jenny』はTony Hawk: Downhill JAM、
トラック4の『My Coco』はビデオゲームMVP Baseball 2004、トラック8
の『Homeland』はNHL 2K8で使用された。
2005年、2ndアルバム『Harmonies for the Haunted』をリリース。
2009年、自主レーベルBloated Wifeより3rdアルバム『Civilized』を
リリース。このアルバムをリリース後、バンドは無期限休止の状態となる。
バンドのメンバーは全員、音楽以外のキャリアを持っている。
フロントマンのShawn Christensenは映画監督としても活動。
2012年のアメリカの短編映画『Curfew(邦題:リッチーとの一日)』が
2013年の第85回アカデミー賞で短編映画賞を受賞した。
Christensenはプロの画家でもあり、彼の受賞したアートはニューヨークの
様々な展示会で展示され、MetropolisやThe Village Voiceのような雑誌に
掲載されている。また、バンドのデビューアルバムのアルバムアートを
描いた。
ベーシストAmanda Tannenはグラフィック・デザイナーで、バンドの
3rdアルバム『Civilized』のアルバムアートを作成した。
ギタリストMichael Jurinは、ブルックリンを拠点とするPiano Bellyと
いうバンドで活動。
ドラマーの Arthur Kremerはグラフィックデザイナーで、Dear Comradeと
いうバンドの創設メンバーでもある。彼は2001年のアメリカ映画『The Lost
Battalion』に出演した。
Stellastarr – In The Walls
Stellastarr – My Coco
Stellastarr – Sweet Troubled Soul
The National
The National(ザ・ナショナル)は、アメリカのロックバンド。
1999年、オハイオ州シンシナティで結成。
メンバーはMatt Berninge(Vo)、Aaron Dessner(G,Key)、
Bryce Dessner(G)、Scott Devendorf(B)、Bryan Devendorf(Ds)。
Aaron とBryce Dessnerは双子の兄弟。
2001年、Alec Hanley Bemis、Aaron Dessner、Bryce Dessnerは
インディーズ・レーベルBrassland Recordsを設立。
同年、セルフタイトルのデビューアルバム『The National』をリリース。
2003年、2ndアルバム『Sad Songs for Dirty Lovers』
2004年、EP『Cherry Tree』をリリース後、イギリスのインディーズ・レーベル
Beggars Banquet Recordsと契約。
2005年、3rdアルバム『Alligator』をリリース。アルバムは評論家に絶賛され、
UKチャートで165位に達した。
2007年、4thアルバム『Boxer』をリリース。ビルボード200で68位に達した。
ベガーズ・グループの再編に伴い4ADに移籍。
2010年にリリースされた5thアルバム『High Violet』はビルボード200で3位、
UKチャートで5位に達した。
6thアルバム『Trouble Will Find Me』がビルボード200で3位を達成。
アメリカでは発売初週に75,000枚のセールスを記録した。
2015年公開の映画『The Revenant』のサウンドトラックをドイツの
ミュージシャンCarsten Nicolai(Alva Notoとして知られる)や
坂本龍一と共作した。
2017『Sleep Well Beast』をリリース。
現在、バンドはニューヨークのブルックリンを拠点に活動している。
The National – Sea Of Love
The National – Conversation 16
The National – I Need My Girl
The National – Graceless
The Killers
The Killers(ザ・キラーズ)は、アメリカのロック・バンド。
ネバダ州ラスベガスで結成された。
2001年、デイヴィッドがメンバー募集告知をフリーペーパーに出し、
ブランドンと出会う。後にマーク、ロニーが加わる。
2003年にデビューを果たし、2004年にデビュー・アルバム『Hot Fuss』
をリリース。『Somebody Told Me』、『Mr. Brightside』のシングルが
ヒット、アルバム『Hot Fuss』は世界で700万枚のセールスを達成した。
2005年、イギリスのGlastonbury Festivalに出演する。
2006年、2ndアルバム『Sam’s Town』をリリース。ミュージックビデオ
『Bones』はティム・バートンが監督した。
2007年リリースのシングル『Read My Mind』のミュージックビデオは
東京を舞台にしており、ガチャピン、森泰仁が出演している。
同年、グラストンベリー・フェスティバルでヘッドライナーをつとめた。
2008年、3rdアルバム『Day & Age』 をリリース。
2009年、ヘッドライナーとしてコーチェラ・フェスティバルに参加。
2012年、4thアルバム『Battle Born』 をリリース。
2013にはウェンブリー・スタジアムでのライブを成功させる。
2017年、アルバム『Wonderful Wonderful』をリリース。ビルボード200で
1位、デビューアルバムから5連続UKチャート1位を獲得した。
メンバーはBrandon Flowers(Vo)、Dave Keuning(G)、
Mark Stoermer(B)、Ronnie Vannucci Jr.(Ds)の4人。
バンドは2002年に現在のラインアップを完成させた。
バンド名はNew Orderの『Crystal』のミュージック・ビデオに登場する
架空のバンドのバスドラムに書かれたロゴ「The Killers」に由来する。
バンドは5つの連続したトップアルバムをリリースした
・Hot Fuss(2004年、オーストラリア、アイルランド、イギリス1位)
・Sam’s Town(2006年、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、
イギリス1位)
・Day&Age(2008年、アイルランド、イギリス1位)
・Battle Born(2012年、アイルランド、イギリス1位)
・Wonderful Wonderful(2017年、アメリカ、オーストラリア、イギリス1位)
また、シングルB面などアルバム未収録曲を収録したコンピレーションアルバム
『Sawdust』(2007年、アメリカ12位、イギリス7位)をリリース 。
ライヴアルバム『Live from the Royal Albert Hall』(2009年、メキシコ5位)
をリリース。
ベスト・アルバム『Direct Hits』(2013年、アメリカ20位、オーストラリア
10位、ベルギー18位、カナダ25位、アイルランド5位、イギリス6位)をリリース。
コンピレーションアルバム『Don’t Waste Your Wishes』(2016年)をリリース。
キラーズは21世紀の最大のロックバンドの1つとして見られており、ネバダから
出現した最も成功したバンドである。
彼らは今まで50以上の国と6 大陸でパフォーマンスをしてきており、マディソン・
スクエア・ガーデンやウェンブリー・スタジアムのような会場でパフォーマンスを
するライヴバンドとして世界的な成功を収めた。
The Killers – Mr. Brightside
The Killers – Somebody Told Me
The Killers – Human
The Killers – The Man